なぜ人は『理想の相手』を追い求めるのか?心理学で解き明かす恋愛の真実
「もっと優しくて、仕事もできて、気が利く人がいいな…」「私の理想のタイプは、絶対に運命の相手だって信じてる!」
誰もが一度は、「理想の相手」を思い描いたことがあるのではないでしょうか。でも、その理想を追い求めれば追い求めるほど、現実の恋愛がうまくいかなくなってしまう人も少なくありません。
なぜ、私たちはこんなにも理想の相手を求めてしまうのでしょうか? この記事では、恋愛における理想と現実のギャップに悩むあなたのために、その心理的な理由を一緒に考えていきましょう。
「理想の相手」を追い求める3つの心理
理想を追い求めるのは、決して悪いことではありません。しかし、その根底にある心理を知ることで、恋愛の失敗を避けるヒントが見えてきます。
1. 完璧な相手に「欠けている自分」を補ってほしい
「自分の足りない部分を、理想の相手が埋めてくれるはず」と無意識に期待していませんか?
これは、心理学で言う「投影」に近い心理です。自分の中にある「こうありたい自分」「こんな自分になりたい」という願望や、満たされていない部分を、相手に映し出してしまうのです。
しかし、どんなに素敵な人でも、他者の欠点をすべて補うことはできません。理想が高すぎると、現実の相手が「期待外れ」に見えてしまい、恋愛が続かない原因になってしまいます。
2. 幼少期の経験が「理想」の原型を作る
私たちが理想の相手を思い描く背景には、幼少期の親との関わりが大きく影響していることがあります。これは「アタッチメント理論」という考え方です。
幼い頃に安心できる関係を築けた人は、安定した恋愛パターンを築きやすいと言われています。一方、満たされなかった経験がある場合、その欠乏感を埋めてくれるような理想の相手を無意識に探してしまうことがあります。
3. 「理想の相手」と結ばれることで自己肯定感を高めたい
「こんなに素敵な人と付き合える自分はすごい」と感じたいという自己愛も、理想を追い求める大きな理由の一つです。
理想の相手と結婚することで、自分の価値が上がったように感じ、自己肯定感を満たそうとする心理が働きます。しかし、これは「相手ありきの自分」になってしまうため、恋愛が終わった時に、自己肯定感を失うリスクも伴います。
理想を追い求める「完璧主義」の罠
「運命の人」を信じすぎて、目の前にいる素敵な人を恋愛対象として見られなくなっていませんか?
完璧主義の人は、理想の相手像に少しでも当てはまらない点があると、「この人じゃない」と決めつけてしまう傾向があります。しかし、世の中に完璧な人などいません。
理想を追い求めることは、恋愛の原動力になりますが、それが目的になると、恋愛そのものが苦しくなってしまいます。
まとめ
理想の相手を求めるのは、ごく自然なことです。
しかし、本当に大切なのは、完璧な誰かを探すことではなく、不完全な自分と相手をありのままに受け入れ、共に成長していくことです。
理想と現実のギャップに悩んでいるなら、まずは「どうしてこの人を理想としているんだろう?」と、自分の心に問いかけてみてください。きっと、新しい気づきや、恋愛をうまく進めるためのヒントが見つかるはずですよ。